JO1、新たな“武器”で観客を圧倒! ツアーを通して彼らに現れた大きな変化に迫る・・『2022 JO1 1ST ARENA LIVE TOUR ‘KIZUNA’』全28曲を詳細レポート [前編]

JO1©LAPONE ENTERTAINMENT EVENTS
JO1©LAPONE ENTERTAINMENT

JO1が成熟したパフォーマンスと圧巻の実力でファンを魅了した。情熱あふれる彼らのステージに大きな注目が集まっている。

12月23日、JO1は有明アリーナにて『2022 JO1 1ST ARENA LIVE TOUR ‘KIZUNA’』の最終公演を開催。約3時間半にわたる迫力のパフォーマンスは、訪れたファンを虜にした。

この記事ではJO1の卓越したパフォーマンス能力についてレポートしていきたい。今回の公演で彼らがパフォーマンスしたのはアンコール曲を含めて全28曲。ここからは曲ごとに当日の様子を振り返っていく。

JO1©LAPONE ENTERTAINMENT

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Move The Soul

最初にパフォーマンスされたのは『Move The Soul』だ。疾走感のあるメロディーと力強いボーカル、軽やかなダンスなど、見どころ満載のこの楽曲。オープニングを飾るにふさわしい華やかなステージだ。

ここではとくに、ラッパーたちのパフォーマンスが印象的だった。太くどっしりとした声でラップを披露した鶴房汐恩(つるぼう しおん)木全翔也(きまた しょうや)。そんな2人に対して高音ラップで曲にアクセントを効かせた大平祥生(おおひら しょうせい)。張り裂けるような大声で会場を盛り上げた白岩瑠姫(しろいわ るき)。それぞれの個性と曲が織りなす美しさは公演の開幕を華やかに彩った。

Born To Be Wild

『Born To Be Wild』ではボーカルメンバーの堂々としたパフォーマンスに惹かれた。與那城奨(よなしろ しょう)、河野純喜(こうの じゅんき)の力強く伸びやかな歌声に会場のボルテージは大盛り上がり。川尻蓮(かわしり れん)や川西拓実(かわにし たくみ)、豆原一成(まめはら いっせい)も非常に声量が大きく、安定したボーカルを聞かせた。とくに、川尻と川西は高音の力強さが印象的だった。取材に行くたびに感じるが、彼らは毎回着実に上手くなっている。リードボーカルとして活躍している2人だが、その実力はメインボーカルにも匹敵するほど。歌声の力強さと音域の高さはグループにとっても強い武器だろう。

また、河野にも目を引かれた。歌が上手いのは言わずもがな、楽しそうに歌っている姿が見ていて微笑ましかった。気持ちよさそうに、幸せそうに歌う彼の表情からは歌への心からの愛を感じる。

Algorithm

河野の表情の良さは『Algorithm』でも見られた。最初のパートにて、いたずらっ気のある瞳を見せた彼。どこか“チャラさ”のあるその表情を見た途端、河野の新たな一面が垣間見えたような気がした。河野には”一生懸命で明るい青年”という爽やかなイメージを持っていたのだが、この楽曲では遊び心あふれるイメージに変化。別人のような顔を見せながらパフォーマンスしていた。

この楽曲では鶴房の重量感のある声も印象的だった。彼は自分らしく歌うテンション、声色を確立させたのだろう。過去に見たどのステージよりも、堂々とした印象を受けた。同じくラッパーの木全もまた、声で曲にアクセントを取り入れている。鶴房のハスキーな声と木全の迫力のある声が、この曲のイメージをより色濃く演出していた。

金城碧海(きんじょう すかい)の伸びやかな歌声にも感動した。彼はボーカルだけでなく、表情や仕草、カメラへの魅せ方がバラエティーに富んでおり、より成熟した印象を受けた。

YOLO-Konde

川西から豆原、大平、木全、鶴房へと続く迫力のラップリレーがみごとな『YOLO-Konde』のパフォーマンス。この曲と言えば、やはりサビ前の鶴房のパートが重要なポイントだろう。曲のキーともいえる「YOLO-Konde」というワンフレーズ。ここをしっかり決めることでパフォーマンス全体がグッと締まる。鶴房はこの役割を十二分に果たしていた。表情と言い、声と言い、彼の動きは全てこの曲のコンセプトにぴったり。鶴房の一言で会場の温度がグッと上がる様を見て、より一層存在感のあるラッパーになったのだと感じた。

この曲の“極楽ポイント”は、河野のサビ前の伸びやかなボーカルからの木全の“ダミ声”への高低差だろう。2人の声の違いがはっきり出ることによって曲の面白さ、ユニークさが最大限に引き出されていた。

また、この曲では金城が自分のパートの歌う音程を少しアドリブで変えている姿も印象的だった。音源とは違う、生感、ライブ感が強い彼のボーカルは、会場を盛り上がるのに大きな役割を果たしたことだろう。

Walk It Like It Talk It

『Walk It Like It Talk It』では、ダンスの一体感に驚いた。この時点でダンス曲4曲を連続パフォーマンスしていたJO1。しかし、5曲目のこのステージでもパワフルでキレのあるダンスを見せた。

1サビの終盤では川尻の圧倒的な存在感が花開いた。彼がセンターに来たとき、全体がシャキッと引き締まった印象になった。川尻のクリーンでキレのある動きは、JO1のパフォーマンスに安定感を与える。

そこからの豆原の迫力にも魅了された。川尻が築いた安定感から、彼の覇気へのバトンタッチがみごと。「スキル」を代表する川尻と「情熱」を代表する豆原のパワーが重なり、完成度の高いパフォーマンスが出来上がっていた。その後、豆原がセンターにくるダンスシーンでは、JO1の群舞の良さが生きていた。このダンスはバイクのようなカタチになって一堂に動くのが特徴。全員の息がピッタリ合った動きにはとても迫力があった。

豆原一成©LAPONE ENTERTAINMENT

豆原一成©LAPONE ENTERTAINMENT

佐藤景瑚(さとう けいご)は表情の作り方がとても魅力的だ。「突き抜けた杭を打てずに」のパートは何度見ても美しい。彼は自身の魅力をしっかり把握しているのだろう。彼のビジュアルには儚げで上品な雰囲気があるが、その魅力をより一層引き立たせる可憐な表情が印象に残っている。

ここまでのオープニング5曲を見て、ライターはメンバー全員に起きていた大きな“変化”に気がついた。それは彼らの「表情」だ。今回のステージでは、どのメンバーからも良い意味での“慣れ”と強い自信が感じられた。カメラに対してもファンに対しても、自分を“どう見せたいのか”というビジョンがはっきりしているようで、堂々とした印象を受けた。

トークタイムで、「ファンからエネルギーをもらっている」と話すメンバーがいたが、まさにその言葉通り、彼らはファンからパワーを得ているようだ。自分を美しく魅せるスキルや、パフォーマンス時の余裕が、無観客のときに比べてかなり成長している。愛するファンを前にパフォーマンスすることの貴重さというものを身に染みて感じている彼らだからこそ、有観客公演で得る学びや発見も多いのかもしれない。『2022 JO1 1ST ARENA LIVE TOUR ‘KIZUNA’』の過去12回の公演を通して、11人はファンと共に楽しむことの豊かさをたくさん味わったのだろう。その結果が、今回の最終公演のパフォーマンスに反映されていたように思う。

Shine A Light

『Shine A Light』の冒頭、眉をクイッと上げて愛らしい表情を浮かべた川西。彼は表情がコロコロと変わり続けるため、見ていて飽きない。音楽を楽しみながら歌うその姿からは自由奔放でアーティスティックな印象を受ける。次々と新たな表情を見せる彼の姿には思わず感嘆してしまった。

川西拓実©LAPONE ENTERTAINMENT

川西拓実©LAPONE ENTERTAINMENT

この歌ではボーカル面で、與那城、河野、川尻、川西の高音が印象的だった。サビのパートの高音が伸びやかで安定しており、クオリティーの高いボーカルになっていた。4人はそれぞれ個性豊かな歌声を持っているが、そうしたメンバーの個性が曲と合わさることでより深みのあるパフォーマンスになっていたと思う。

僕らの季節

『僕らの季節』は冒頭のダンスがとても揃っていて一体感があった。JO1といえば、シンクロ率の高い群舞が魅力。しかしそれを知っていてもなお、そのあまりの揃い具合と美しさに、「いったいどれほど練習したらこんなに揃うのだろうか…」と不思議な気持ちになった。

佐藤の「気が付けば君の名を呼んでる」というパートでは、言葉にできないほど儚い彼のビジュアルに圧倒された。後ろにふわっと倒れる振り付けにピッタリな佐藤の表情。見ている側に「これが見たかったんだ…!」と思わせるような、百点満点の表情、仕草を作る彼のセンスの良さに脱帽した。

佐藤景瑚©LAPONE ENTERTAINMENT

佐藤景瑚©LAPONE ENTERTAINMENT

この楽曲では大平のダンスも印象的だった。彼のダンスのスタイルは見ていてとても心地よい。滑らかで軽やかで、クセのない動きはこの楽曲の穏やかな雰囲気にピッタリだ。

また、この曲では金城の声にも惹かれた。ボーカルがとても安定しているということもすばらしいが、なんといっても彼の声自体にとてつもない魅力を感じた。彼の声は“切なさ”や“切実さ”が感じられる、感情を揺さぶるパワーを持っている声だ。金城が歌うたびに、彼の思いが会場いっぱいに広がっていくようで鳥肌が立った。

ボーカル面では、河野の高音にも度肝を抜かれた。ハイライトの「そばにいて」のパートで驚くほどの声量を見せた彼。震えるほど美しい彼の声は、曲の世界観をより一層深めたことだろう。

JO1はボーカルメンバーが強いな、とつくづく思う。声量が大きく安定しているだけでなく、音域も広い。さらに、メンバーごとに個性豊かな歌声を持っているため、歌によって異なる印象を与える歌い方ができる。そしてなによりも、JO1のボーカルメンバーたちは、生歌へのプライドを持っている。ボーカルメンバーたちの歌うことに対する情熱はパフォーマンスを一目見れば伝わってくる。ハードなダンスを踊りながらもなお、ベストなボーカルを見せるために最善を尽くす彼らの姿からはアーティスト魂が感じられた。

RUNNING ※川尻/鶴房/與那城によるユニットパフォーマンス

この楽曲では鶴房の透明感のある声がとても生きていた。ハスキーでありながらも繊細な彼の声は、すこしあどけなさもある“少年の声”といったイメージ。『RUNNING』はその無垢なイメージが非常に生かされていたステージだったと思う。序盤はささやくような優しさを見せた鶴房だったが、後半に向かうにつれてボリュームや勢いがどんどん増していった。とくに印象的だったのは、2サビ前の「君のそばにずっといるよ」というパート。切なげでありながらも力強く「いるよ」と歌う彼の声はボーカルメンバーにも負けない美しさがあった。また、鶴房は“メンバーと歌う”という意識が強く感じられた歌い方だった。與那城と川尻の顔を何度も見つめながら歌うその姿からは、仲間への愛情と信頼が伝わってきた。

鶴房汐恩©LAPONE ENTERTAINMENT

鶴房汐恩©LAPONE ENTERTAINMENT

川尻はここでも美しい高音を披露。彼の声はとてもハリがあり、聞き心地がよい。対する與那城は堂々としたどっしりとした声。会場全体を包み込むような優しい歌声が感動的だった。

Get Inside Me ※大平/川西/木全/河野によるユニットパフォーマンス

『Get inside me』では、大平の声の美しさに気付かされた。「夢見る世界に So we go up」のパートでは、彼の力強いボーカルを聞くことができた。彼のボーカルは穏やかで落ち着いたイメージがあったのだが、新たな一面が垣間見えたようでワクワクした。

大平祥生©LAPONE ENTERTAINMENT

大平祥生©LAPONE ENTERTAINMENT

河野はここでも伸びやかなボーカルを披露。とくに「きらめくLike a star」の高音がすばらしかった。笑顔で楽しそうに歌う彼の姿からは以前よりもゆとりが感じられた。パフォーマーとしての実力がさらに上がり、余裕が持てるようになったのかもしれない。

終盤、川西の「Come inside me Hello」から木全、河野と続いていくサビパートでは声量、安定感ともに3人全員がとても質の高いボーカルを聞かせた。木全はラップを担当することが多い人物だが、ボーカルのスキルもかなり高いのではないだろうか。曲ごとに声を使い分けている印象がある。このシーンでは、力強さと誠実さが感じられる歌声だった。

 KungChiKiTa ※金城/佐藤/白岩/豆原によるユニットパフォーマンス

『KungChiKiTa』では、白岩の姿に目を引かれた。公演開始直後からかなりハイテンションだった彼だが、このステージではさらに熱く燃え上がる姿を見せた。サビの声量と言い、表情と言い、彼の一挙一動から覇気を感じた。彼自身ステージをとても楽しんでいるのだろうということが伝わってきただけでなく、観客を楽しませようとしているということも伝わってきた。一曲を通して、彼が会場全体の雰囲気をコントロールしているかのような圧倒的な存在感を放っていた。

白岩瑠姫©LAPONE ENTERTAINMENT

白岩瑠姫©LAPONE ENTERTAINMENT

豆原もまた白岩に負けず劣らず情熱的なパフォーマンスを見せていた。まずは、序盤のパート「暴れだせ荒野の荒くれ」からエンジン全開のパワフルなボーカルを披露。声を濁らせ、ダミ声気味に歌ったサビ直後のラップも迫力があった。豆原が得意とするダイナミックなダンスも印象に残っている。オールラウンダーの豆原らしい、質の高いパフォーマンスだった。

ダンスという側面では、サビパートを踊る金城の姿もとてもきれいだった。ダンスに重みが生まれたとでも表現しようか。動きにパワーが増したように思う。緩急がついてよりキレのある動きになっていた。

佐藤は「Bang Bang Bang」からの声の出し方が印象的だった。豆原の低くずっしりとした声と対照的なハイトーンラップがとても似合っていた。

Be With You(足跡) / 12. ZERO / 13. 流星雨

『Be With You(足跡)』『ZERO』、そして『流星雨』では、メンバーたちの声の美しさが際立っていた。『Be With You』で印象に残っているのは佐藤。この曲は、彼の透明感のある天使のような歌声と非常に相性が良い。繊細でありながらも正確で安定感のあるボーカルが光っていた。

『ZERO』では、河野から川尻へとつながるサビ部分が最高の“極楽パート”。声の伸びと安定感がとても心地よく、彼らのボーカリストとしての才能を再確認させられた。また、木全のボーカルもとても安定していたように思う。彼の歌い方からは歌詞を丁寧に歌い上げようとしている真面目さが伝わってきた。

金城のボーカルもとても印象的だった。この曲は彼の声と本当に相性が良い。金城の声は真摯で誠実、真正面から曲に向き合っている感じがする声だ。どこか切なさを含む情緒的な魅力を持っており、歌声を聞くだけで、彼の一生懸命な姿勢が伝わってくる。『ZERO』はそんな金城の声の切なさと優しさが美しく花開く楽曲だ。「世界はZERO 君がいないと」の部分は、感情がそのまま声になったかのような生々しさと強さが感じられた。

金城碧海©LAPONE ENTERTAINMENT

金城碧海©LAPONE ENTERTAINMENT

『流星雨』では、川尻のクオリティーの高いボーカルに感動した。彼の声はハリのあるとても聞きやすい声だ。どんなテイストの楽曲にも溶け込みやすく、パフォーマンスに安定を与える。この曲では「“いつまでも一緒だよ”と」のパートがとても美しかった。声量がかなり大きく安定感もあり、聞いていて心地よかった。

以上、前編として13曲のステージについてレポートした。後編では、新曲『SuperCali』を含む残りの楽曲パフォーマンスについてレポートを続けたい。

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