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「Nizi Project」が提示した新しい「K-POP」の可能性 – NiziUはなぜデビュー前から多くの熱狂的なファンを獲得できたのか?

NiziUは今、日本のK-POP界でもっともホットなグループといってよいだろう。まだプレデビュー段階にもかかわらず、6月30日にデジタルアルバム「Make you happy」を発表して以来、オリコンで初登場3冠(「オリコン週間デジタルアルバムランキング(7月13日付)」、「週間ストリーミングランキング」、「週間デジタルシングルランキング」)を達成するなど、勢いがとどまることを知らない。

NiziUは、韓国の大手芸能事務所JYPエンターテインメントと、日本のソニー・ミュージックエンタテインメントが手を組み生まれたオーディション番組「Nizi Project」を通して選ばれた、日本人9人からなる新しい形の「K-POP」ガールズグループだ。

JYPエンターテイメント(以下、JYP)は、番組で審査員を務めたJ.Y.Park(パク・ジニョン)が韓国で1997年に設立し、Wonder Girls2PMを始めとして、miss AGOT7TWICEなど数々の人気グループを輩出している、いわばK-POPの名家だ。

まったく新しい「K-POP」ガールズグループの誕生

JYPは、常に新しい挑戦に臆することなく挑み続けてきた。

K-POPはこれまでに、第1世代(主に1990年代、Fin.K.LやS.E.Sなど)、第2世代(2000年代後半~2010年代前半、少女時代、Wonder Girlsなど)、第3世代(2010年代後半~、TWICE、BLACKPINKなど)と進化を遂げてきた。それは、音楽性やパフォーマンスだけでなく、グループを構成するメンバーの多様性にも反映されている。

第1世代ではメンバーの全員が韓国人であることがほとんどだったが、第2世代ではメンバーの中に韓国人以外の国籍を持つ者を含めることが増えた。そして現在の第3世代では、その傾向は一層加速している。多様性がより重視される世界的なトレンドに合わせてK-POPも発展を続けているのだ

こうした流れに、いち早く対応し業界をリードしてきたのがJYPだ。第2世代に入った頃から2PMやmiss Aといったグループで、積極的にメンバーに外国人を採用。第3世代を代表するTWICEでは、9人のメンバーのうち、ミナ、サナ、モモという3人の日本人メンバー、ツゥイという1人の台湾人メンバーを抜擢。今やK-POP界を代表するガールズグループとして大成功を収めている。

TWICE

そして2020年、JYPは、そうした多様性の追求をさらに進め、ついに究極ともいえる「K-POP」ガールズグループが誕生した。それがNiziUだ。つまり韓国人が一人もいない、日本人だけで構成されるガールズグループだ。

「Nizi Project」での徹底した日本対応

「Nizi Project」を生むことになるJYPの構想が明かされたのは2018年ことだ。JYPはその年掲げた「JYP 2.0」のテーマの一つとして、「GLOBALIZATION BY LOCALIZATION」をあげた。「GLOBALIZATION BY LOCALIZATION」とは、世界のそれぞれの国や地域に合ったものを作りながら、世界的な進出・拡大をしていくという趣旨だが、「Nizi Project」はまさにこの考えに基づいたものだった。

JYP 2.0の全容はこちら↓から

「Nizi Project」を純粋な韓国式のオーディション番組にすることも、もちろん可能だっただろう。しかし実際、JYPは、これまで培ってきたK-POPグループのプロデュース力を生かしつつ、日本人に受け入れられやすいようにローカライゼーションにこだわった

それは番組のいたるところで見られた。「Nizi Project」の応募条件には「日本語で意思疎通ができること」が含まれていた。JYPの創始者であり「Nizi Project」のプロデューサーのJ.Y.Parkは、可能な限り日本人練習生たちに日本語で話しかけた。彼は番組のために日本語力を磨いたそうだ。地域予選や日本合宿ではK-POPの曲だけでなく、日本の曲も使用されていた。

そして何より大きかったのが、日本テレビが大々的に「Nizi Project」をバックアップしたことだろう。「Nizi Project」はオンライン配信サービス、Huluにて本編が配信されたが、日本テレビの朝の情報番組「スッキリ」では、「Nizi Project」を、スタートから最終回まで大きく取り上げた。デビューメンバー決定の直前には10日間連続で取り上げるほどの力の入れようだった。さらに関東ローカルだけの放送ではあったが「虹のかけはし」という番組も週1回放送され、J.Y.Parkのインタビューなどが紹介された。

このように、「Nizi Project」はネットやSNSに加え、積極的に地上波を使った情報発信をすることで、ふだんK-POPに触れることのない人たちも取り込むことに成功したのだ。

通常、韓国のオーディション番組は、韓国の圧倒的な「SNS文化」を背景に、SNSが番組を宣伝する上で大きな役割を担うが、「Nizi Project」は日本の大衆に効率よくリーチするための媒体としてテレビを活用し、ネット配信やSNSとミックスさせた情報発信をし、大成功を収めた。これも日本に合わせたローカライゼーションの一環だったといえるだろう。

デビュー前にファンを育成

こうして日本でもっとも影響力のあるメディアである、地上波テレビ局を活用した巧みなメディア戦略によって、日本のマスオーディエンスを獲得した「Nizi Project」は、番組終了後に誕生するNiziUの活躍の基礎となるファンを、デビューメンバーが決まっていない段階から育てることにも成功した。

これまであまりK-POPに触れてこなかった日本の一般的な視聴者にとって、韓国式のサバイバルオーディション番組は非常に斬新な体験であったに違いない。J-POPとは明らかに異なるK-POPの音楽やダンス。それらを懸命にこなそうと極限まで己を追い込む練習生たちの姿。すぐれた人格とカリスマ性をもったJ.Y.Parkの的確な指摘や指導など、どれをとっても日本の視聴者にとっては斬新で刺激に満ちたものに映ったであろう。

興味を持って観始めると、自然と番組の参加者たちを応援したくなってしまう。韓国式のオーディション番組には、そんな魅力がある。「Nizi Project」は最初の大事なステップである「興味を持たせる」部分を上手く作り出し、K-POPファン以外の人たちを番組に取り込むことに成功した。そして、デビューという夢をもった少女たちが懸命にがんばる姿を長期にわたって見守り応援することで、自然と彼女たちに共感し、気が付けばファンになっているという現象がここ日本で大量に発生したのだ。これこそが韓国式オーディション番組の真骨頂といってよいだろう。

K-POP、J-POP、どちらの業界においてもいえることだが、毎年大量のデビューが続いており、すでに飽和状態となっている。新しいコンセプトのアイドルを打ち出しても、十分に知られる機会もなくあっという間に消えてしまうケースも多々見られる。そんな中、デビュー前の時点で多くの熱狂的なファンを獲得したNiziUは、今後の活動を断然優位に進められるだろう。いやそれどころか、人気グループであるTWICEやIZ*ONEを脅かすような存在になってもおかしくはない。現在のNiziUの勢いをみると、そんな予感さえさせてくれる。

NiziU

NiziUが提示した新しい「K-POP」の可能性

このように「Nizi Project」そしてそこから生まれたNiziUは、これまで「韓国のポップミュージック」という意味であったK-POPの新しい方向性を示すことになった。つまり、韓国籍にこだわらない多様で自由なメンバー構成さまざまな国や地域の特性に合わせたローカライゼーション、そして、そうして獲得した“ローカルな”オーディエンスに対して、定評のある「韓国式のフォーマット」を披露することでデビュー前から熱狂的なファンを獲得していく、といったスタイルだ。

その真価と可能性は、まさにNiziU自身がこれから証明してくれることだろう。そして「Nizi Project」が示したモデルは、K-POPの世界的な人気に伴って、今後大いに参考にされていくに違いない。


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