K-POPの基礎知識⑩ 韓国の音楽チャートを徹底解説! HANTEOチャート、CIRCLEチャート、MelOn、Genie、FLO、Bugs、VIBE…パーフェクトオールキルって一体なに?
K-POPアイドルが新曲を引っさげてカムバックすると、音楽チャートの話題がニュースになりますよね。韓国の音楽番組では毎週“1位のアーティスト”を発表するため、1位を獲得するにはチャートの上位にいることが大切。
韓国独自の主なチャートは全部で7種類! 音盤チャートは、①HANTEO(ハント)チャートと②CIRCLE(サークル)チャート(旧GAON〔ガオン〕チャート)の2つ。この2つは、日本の「オリコンチャート」のようにCDの流通枚数から算出しています。
音源チャートは、③MelOn(メロン)、④Genie、⑤FLO、⑥Bugs、⑦VIBE、の5種類。音源は大衆リスナーが多いため、一般的に女性グループの方が上位に来やすいといわれています。
韓国の音盤チャート
音盤チャートとは、つまりアルバムなどCDの売上をカウントしているチャート。そのためデジタル音源でのリリースの場合、音盤チャートには反映されない。
①HANTEO(ハント)チャート
CDの売上数をカウントしているチャート。集計方法は、HANTEOチャート加盟店である小売店から実際に“販売された数”を集計している。日本では、タワーレコードやWeverse shopなどが加盟店となる。
リアルタイム、デイリー、週間、月間、年間の5つのチャートがあり、すぐに初動売上が反映されるのが特徴。K-POPアーティストの「初動売上が○○枚を突破!」というニュースはこのHANTEOチャートを元にしている。そのため、HANTEOチャートは初動売上を見るのに適している。
韓国の音楽番組では、『THE SHOW(通称:ドショ)』と『SHOW CHAMPION(通称:ショーチャン)』のスコアに反映される。
▶HANTEOチャートのサイトはこちら:https://www.hanteochart.com/
②CIRCLE(サークル)チャート
韓国初の大衆音楽チャートで2009年にGAON(ガオン)チャートとして発足。アメリカのビルボードチャートや日本のオリコンチャートのような公認音楽チャートである。2022年7月7日にCIRCLE(サークル)チャートへと改名。毎年、1~2月に『サークルチャートミュージックアワード(旧ガオンチャートミュージックアワード)』という音楽授賞式を開催している。
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CIRCLEチャートは、音盤だけでなく「デジタル」、「ストリーミング」、「ダウンロード」、「BGM」など様々なチャートが存在する。その中の「音盤チャート」は“出荷された数”で集計されている。つまりCDの卸業者から小売店に出荷された数となる。ただし小売店から返品された場合はマイナス数となる。そのため、CIRCLEチャートは総合売上を見るのに適している。
HANTEOチャートは加盟店のみの集計だが、CIRCLEチャートは出荷ベースのため韓国内販売量と海外輸出物量が合算される。K-POPアーティストのアルバムが「総売上でミリオンセラーを達成!」というニュースはCIRCLEチャートをベースにしている。
韓国の音楽番組では、『M COUNTDOWN(通称:エムカ)』『MUSIC BANK(通称:ミューバン)』『ショー!K-POPの中心(通称:ウマチュン)』『人気歌謡(通称:インガ)』のスコアに反映される。
▶CIRCLEチャートのサイトはこちら:https://circlechart.kr/
韓国の音源チャート
音源チャートとは、つまりストリーミング数やダウンロード数を集計しているチャートである。音楽番組で1位を獲るためにファンたちが「スミンを回す」という表現をしているが、これは「ストリーミングの再生回数を稼ぐ」という意味。
MelOnをはじめとした韓国独自のサブスクは韓国内の利用のみに限られる。そのため、アイドルがカムバックするとチャートの上位にランクインさせる目的で、韓国のファンが海外のファンに寄付を募っているのはこのためである。
③MelOn(メロン)
「MelOn」は、韓国の総合エンターテインメント企業であるカカオが運営する、韓国最大の音楽サブスクリプションサービス(アクティブ数の1位はYouTubeミュージック)である。SKテレコムが立ち上げ、2004年11月に最初のサービスを開始。毎年、『MELON MUSIC AWARDS(MMA)』という音楽授賞式を開催している。
▼「MELON MUSIC AWARDS 2023」NewJeansのステージ
MelOnチャートは「TOP100チャート」「HOT100チャート」「デイリーチャート」「週間チャート」「月間チャート」「時代別チャート」の5種類がある。
利用者数が多いため、大衆人気がある曲がチャートインしやすい。韓国国内でのみのサービスのため、外国人は利用できない(カカオIDがあれば登録だけは可能)。SNSなどでは「🍈」の絵文字で表されることが多い。
韓国の音楽番組では、『THE SHOW(通称:ドショ)』と『SHOW CHAMPION(通称:ショーチャン)』『M COUNTDOWN(通称:エムカ)』『MUSIC BANK(通称:ミューバン)』『ショー!K-POPの中心(通称:ウマチュン)』『人気歌謡(通称:インガ)』6番組のスコアに反映される。
▶MelOnチャートのサイトはこちら:https://www.melon.com/
TOP100チャート
「直近24時間」の利用量と「直近1時間」の利用量が50%ずつ反映され、毎時更新される。ただし、午前1~7時までの深夜帯は「直近24時間」の利用量のみを反映する。利用量の内訳は、ストリーミング40%+ダウンロード60%である。
HOT100チャート
「直近1時間」の利用量のみ反映。さらに。発売から発売30日/100日以内の新曲を対象としている。利用量はTOP100と同じように、ストリーミング40%+ダウンロード60%を基準に集計し、毎時間更新される。ただし、利用量が少ない午前2~6時にはチャートを更新しない。
デイリーチャート、週間チャート、月間チャート
「午後12時~翌日午後12時」のユニークリスナーを反映。リスナー1人を1カウントとするため、何度もストリーミングしても1カウントとなり、純粋なリスナー数が反映される。内訳は、ストリーミング40%+ダウンロード60%である。
時代別チャート
年度別の国内・海外チャートTOP100と音楽界のイシューをズバッと指摘したコラムを掲載。韓国内唯一の時代別チャートとなっている。
④Genie(ジーニー)
韓国のレコード会社ジニーミュージックが手がけている。GenieはMelOnの次に利用者数が多いと言われており、1時間ごと(午前1時〜午前7時を除く)にストリーミング数とダウンロード数を元にチャートが更新される。SNSなどでは「🧞」の絵文字で表されることが多い。
韓国の音楽番組では、『THE SHOW(通称:ドショ)』と『SHOW CHAMPION(通称:ショーチャン)』『M COUNTDOWN(通称:エムカ)』『MUSIC BANK(通称:ミューバン)』『ショー!K-POPの中心(通称:ウマチュン)』『人気歌謡(通称:インガ)』6番組のスコアに反映される。
▶Genieチャートのサイトはこちら:mw.genie.co.kr/chart
⑤FLO(フロ)
韓国の最大携帯電話事業者SKテレコムの子会社であるドリームアスカンパニーが運営。2020年より開始された比較的新しいチャートだが、FLO利用者数はMelOnとGenieに次いで3番目と言われている。
チャートは24時間累計のデータを元に集計されている。そのため、急激な上昇や下降が少なく大衆人気の高い曲が上位に来やすい。
韓国の音楽番組では、『SHOW CHAMPION(通称:ショーチャン)』と『M COUNTDOWN(通称:エムカ)』『MUSIC BANK(通称:ミューバン)』『ショー!K-POPの中心(通称:ウマチュン)』『人気歌謡(通称:インガ)』5番組のスコアに反映される。
▶FLOチャートのサイトはこちら:https://www.music-flo.com/detail/chart/1
⑥Bugs(バグス)
韓国のグローバルIT企業NHN株式会社が運営している。Bugsチャートの歴史は古く、2000年からサービスを開始している。Bugsの利用者数が少ないことと、直近1時間のデータで順位付けされるため、順位が上下しやすい。その反面、ファンの団結力によって1位を取得しやすいチャートでもある。
過去には日本からもストリーミング可能だったが、現在は韓国国内のみとなっている。SNSなどでは「🐞」の絵文字で表されることが多い。
韓国の音楽番組では、『THE SHOW(通称:ドショ)』と『SHOW CHAMPION(通称:ショーチャン)』『M COUNTDOWN(通称:エムカ)』『MUSIC BANK(通称:ミューバン)』『ショー!K-POPの中心(通称:ウマチュン)』5番組のスコアに反映される。
▶Bugsチャートのサイトはこちら:https://music.bugs.co.kr/chart/track/realtime/total
⑦VIBE(バイブ)
音楽サブスクリプションサービス「NEVER VIBE」のチャート。更新は毎朝7時の1日1回のみ。そのため、順位の変動が少なく大衆人気の高い曲がランクインしやすい。SNSなどでは「💗」の絵文字で表されることが多い。
韓国の音楽番組では、『M COUNTDOWN(通称:エムカ)』『MUSIC BANK(通称:ミューバン)』『ショー!K-POPの中心(通称:ウマチュン)』3番組のスコアに反映される。
▶VIBEチャートのサイトはこちら:https://vibe.naver.com/chart
韓国におけるApple Music、Spotify、YouTube Music
これまで韓国国内のストリーミングは、MelOn、Genie、FLO、Bugsの順で利用者が多いと言われてきたが、2023年12月1日にYouTube Musicのデイリーアクティブユーザーが、MelOnを抜き1位となった。翌日の12月2日には再びMelOnが1位に返り咲いたものの、韓国でのYouTube Music利用者は年々増加している。
Spotifyは2021年2月に韓国でサービスが開始されたが、韓国内での利用者は少ない。また、Apple Musicでも韓国国内でのチャートを集計している。
▶Top 100: South Korea – Playlist – Apple Music:Apple Music Top100 South Korea
韓国の音楽番組では、『M COUNTDOWN(通称:エムカ)』がApple Music、Spotify、YouTube musicをスコアに反映させている。また『M COUNTDOWN』は2024年にはチャートの集計方式を予告しており、時代の変化に対応していくとみられる。
パーフェクトオールキルとは
K-POPチャートを見ていると、パーフェクトオールキルという言葉を聞いたことがあるだろう。簡単に言うと、すべてのチャートで1位を達成することで、2023年は下記の7曲がこれを達成した。
- NewJeans「Ditto」
- IVE「Kitsch」
- IVE「I AM」
- (G)I-DLE「Queencard」
- NewJeans「Super Shy」
- AKMU「Love Lee」
- IVE「Baddie」
なお、厳密にいえば、パーフェクトオールキルとは、芸能娯楽コミュニティinstiz運営の「iChart」が認定した③MelOn、④Genie、⑤FLO、⑥Bugsのすべてのリアルタイムチャートとデイリーチャートで1位になる必要がある。さらにiChartウィークリーチャートでも1位になることが条件であり、パーフェクトオールキルの達成は非常に難易度が高いことがわかるだろう。
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