BLACKPINK、4人のソロがここまで違う! JENNIE・LISA・JISOO・ROSÉ、最新作に表れた“それぞれの現在地”

COLUMN

BLACKPINK、4人のソロ活動がいま、おもしろいほど違う方向へ進んでいる。

2026年2月、BLACKPINKは3rdミニアルバム『DEADLINE』をリリースし、約3年5カ月ぶりとなる完全体カムバックを果たした。

それから約半年。8月末から9月にかけて、JENNIE、LISA、JISOO、ROSÉが相次いで新しいソロ作品を発表した。

同じBLACKPINKのメンバーでありながら、4人の新作を聴き比べてみると、その方向性は驚くほど違う。

JENNIEは自分の内側へ。LISAは自身のルーツへ。JISOOは独自のポップな世界観へ。そしてROSÉは、さらに自由なバンドサウンドへ。

4人の最新作から、それぞれがソロアーティストとして今どこへ向かっているのかを見てみよう。

 

JENNIE──華やかなイメージの奥にある、よりパーソナルな自分

BLACKPINK JENNIE『Fallen Angel』

最初に新作を届けたのはJENNIEだった。

8月28日にリリースされたデジタルEP『Fallen Angel』には、タイトル曲「FALLEN ANGEL」をはじめ、「HEAVEN」「Less than a Lover」の3曲を収録。今回の作品では、JENNIEのよりパーソナルな部分や、感情に踏み込んだ表現が前面に出ている。

BLACKPINKで見せる圧倒的な存在感や、ソロで確立してきたファッションアイコンとしての強さ。そのイメージだけではない、より繊細で感情的なJENNIEが今回の作品では見えてくる。

「FALLEN ANGEL」というタイトルも象徴的だ。完璧で手の届かない存在ではなく、揺れたり、傷ついたりする一人の人間としての自分を音楽に落とし込んでいるように感じられる。

4人の中で、もっとも“自分の内側”へ向かっているのが現在のJENNIEなのかもしれない。

【動画】JENNIE「FALLEN ANGEL」Official Video

 

LISA──世界的スターになった今だからこそ、タイへ戻る

BLACKPINK LISA「SaWaDiKa」

JENNIEとは対照的に、自分のルーツを大胆に前面へ押し出したのがLISAだ。

9月に発表された「SaWaDiKa」は、タイトルからしてLISAの母国タイを強く意識した一曲。「サワディーカー」というタイ語のあいさつを掲げ、ラップとヒップホップ、そしてLISAならではのパフォーマンスを融合させている。

ミュージックビデオでもタイ・バンコクを舞台に、街の風景、ダンス、ファッションを組み合わせ、LISA自身のアイデンティティを作品そのものへ落とし込んだ。

ソロアーティストとして世界規模で活動の場を広げてきたLISA。その彼女がいま、あらためて「自分はどこから来たのか」を音楽の中心に置いているところが興味深い。

世界へ進めば進むほど、ルーツがより強く見えてくる。

現在のLISAのソロ活動を象徴する一曲と言えそうだ。

【動画】LISA「SaWaDiKa」Official Music Video

 

JISOO──音楽だけでなく“世界そのもの”を作る

BLACKPINK JISOO「CLICK」

JISOOも9月、新曲「CLICK」を発表した。シンセポップを軸にした明るく軽やかなサウンドが印象的な一曲だ。

テーマになっているのは、理由を考えるより先に誰かに惹かれ、自然と相手と“CLICK”する瞬間。

そしてJISOOの場合、音楽だけでなく、映像まで含めて一つの作品世界を作っていることが特徴だ。

「CLICK」のミュージックビデオでは、JISOOとロボットのクマを中心に、現実離れしたシネマティックな世界が展開される。MV全体を通して、JISOOならではの幻想的で少し不思議な世界観が強く打ち出されている。

歌だけでなく演技やファッションでも活動してきたJISOOらしく、ソロ音楽も「曲を聴かせる」だけではなく、「その世界に入ってもらう」方向へ広がっているようだ。

【動画】JISOO「CLICK」Official MV

 

ROSÉ──失恋を歌っていた彼女が、今度はドアを蹴り開ける

BLACKPINK ROSÉ「new trick」

そして9月、4人の最後に新曲を届けたのがROSÉだ。

「new trick」は、これまでのROSÉのソロ作品を知っているほど、その変化が伝わってくる。

2024年の1stアルバム『rosie』では、自身の経験や失恋をもとにした内省的な楽曲が大きな軸になっていた。一方、「new trick」はそこから一転。ガレージパンクやポップロックのエネルギーを取り入れ、傷ついたあとでも自分なりの方法で立ち上がり、前へ進んでいく姿を描く。

繊細な感情を歌にするROSÉらしさはそのまま。しかし今度は、傷を見つめ続けるのではなく、そこから飛び出していく。

サウンドだけでなく、ビジュアルからもこれまで以上に自由で開放的なムードが伝わってくる。

そんな変化を感じさせる作品だ。

【動画】ROSÉ「new trick」Official Music Video

 

同じBLACKPINKなのに、誰も同じ道を選んでいない

4人を並べてみると、もっとも興味深いのは「誰も同じ成功パターンを追いかけていない」ことかもしれない。

JENNIEは、よりパーソナルな感情へ。

LISAは、タイという自身のルーツへ。

JISOOは、音楽と映像を組み合わせた独自の世界観へ。

ROSÉは、ソングライティングを軸にしながら、より開放的なポップロックへ。

BLACKPINKとして活動するとき、4人は一つの強烈なグループイメージを作り上げる。しかしソロになれば、そのイメージの外側にある部分まで見えてくる。

そして、それぞれが違う方向へ進んでいることは、BLACKPINKから離れていくこととは少し違う。

むしろ、それぞれが外で身につけた音楽、経験、表現を持ち帰ったとき、BLACKPINKというグループが以前よりさらに面白くなる可能性がある。

2026年、完全体として再び動き始めたBLACKPINK。その一方で、ソロアーティストとしてのJENNIE、LISA、JISOO、ROSÉも、もう「グループ活動の合間のソロ」という段階ではなさそうだ。

4人は同じ場所からスタートしながら、それぞれのやり方で、自分だけの道を作り始めている。

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